「うーん。どうしたらいいんだ」
自称、天才ブログ作家、足毛布愛作（あしもうふ　あいさく）は、パソコンのモニターを前に、考え込んでいた。

「ここまできて、行き詰るとは！　くそー！　こんなことで自称天才ブログ作家と言えるかあ！」

竹村健一似だと、会社の人たちにからかわれては、「だいたいやねぇ」とモノマネをしておどけた。
言いたい奴には、言わせておけばいいさ。
と、足毛布愛作は心の中で思う。
俺は天才なんだぞ！
お前たちには、わからない真実の顔があるんだ！

しかも、この揉み上げは、竹村健一じゃない！
尊敬する師、アイザック・アシモフなんだ！
と、喉のここまで出かかって、やめる。
しょせん、理解などしてもらえまい。

日本を代表するミステリー作家、江戸川乱歩だって、結局はエドガー・アラン・ポーをモジってペンネームにしたわけだし。
だから、ペンネームは、尊敬するアイザック・アシモフをモジって、足毛布愛作としたのだった。

そして、自分が日ごろから妄想しまくっている沢山のＳＦ絵巻を世に問うための手段として、手始めにみんながお手軽に読んでくれるという、ブログでの頂点を目指すことにしたのだった。

そんな、自称、天才ブログ作家　足毛布愛作は、今、キーボードに指を置き、パソコン画面をジッと見つめ、大いに悩んでいた。

「う～ん・・・・・・プロットはある。ストーリーも破たんしていない。そしてなにより、登場人物も魅力的なんだ。・・・・・・しかし、問題はまず、どうすりゃブログって始められるかってことだ！」


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