【朝】

【昼】


うわあ！
たくさんいるなあ。
有香、みんなとお友達になれるかなあ？

「さあ、みなさん。今日は、昨日言ってた、転校生を紹介します」
黒柳先生が黒板に有香の名前を書いてる。
上手だなあ。

「ああ、チョークの粉が手についちゃったわ！　汚い！　ウエット･ティシューですぐにふき取らないと！　・・・・・・えーと。転校生は、菅井有香さんです。みなさん、仲良くしましょうね」

「はーい！」
「それじゃ、有香さん、みんなにあいさつしてちょうだい」

どうしよう。
ドキンドキンしてきたわ。
・・・・・・パパ、ママ。
有香、なんて言ったらいい？

・・・・・・うん。
わかった。
パパ、ママ、見ててネ。有香、がんばるから！

「はじめまして。菅井有香です。本土から来ました。パパとママは、ゴクラクジョードという所に行ってしまったけれど、今、おじいちゃんと、おばあちゃんのおウチで暮らしてます！　みなさんと、早くお友達になりたいです！」

パパ、ママ、どうだった？
有香、ちゃんと言えたよ！

「はい、それでは、有香さんは、一番前の空いてる席に座ってね。・・・・・・曽我さん、有香さんにいろいろ教えてあげてちょうだいね」
「はい、先生！　有香ちゃん、私、曽我千尋っていうの。千尋って呼んでね。仲良くしましょ」

曽我さんか。
仲良くなれそう。

「はい！　みんな注目！　・・・・・・曽我さん、起立！」
「はい」
「曽我さんは、本土で行われた全日本女子空手大会で優勝しました！　はい、拍手～！」
「照れるなあ。ま、どうもです」

へえ、千尋ちゃんって、すごく強いんだ。
頼りになるなあ。
いじめられそうになったら、助けてくれるかな？

さて、勉強しなきゃ。
本土の教科書とぜんぜん違うけど、こっちの方が簡単そうだから、
勉強遅れてた分、取り返せそう。

「有香ちゃん、今日暇？」
「うん。千尋ちゃん」
「じゃあ、展望台に行こっか」
「行く行く」

「発表します！」
うわ！
千尋ちゃんが急に立ち上がった！
なに？

「今日、学校が終わったら、有香ちゃんと展望台に行こうと思ってんだけど、一緒に行く人～！」
「おで、行くど～！」

すごい、みんなで展望台に行くんだ！
うれしいなあ。
千尋ちゃん、ありがとう！

パパ、ママ。
有香、新しい学校で、うまくやっていけそうだよ。


【夕】


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