田中 武蔵(9歳) ― 2011-09-22
【朝】
【昼】
「はい! みんな注目! ・・・・・・曽我さん、起立!」
「はい」
「曽我さんは、本土で行われた全日本女子空手大会で優勝しました! はい、拍手~!」
「照れるなあ。ま、どうもです」
おで、ちひろちゃんみたいに空手がやりたいど。
ちひろちゃんには、かなわないと思うけど
おでも強くなりたいど~。
おで、ますます、ちひろちゃんのこど、好きになったど!
だけど、おでは剣術の道を歩まなくちゃならねえんだど。
あーあ。
つまんねえど。
「おい、ムサシ・・・・・」
ん?
あ、勇太。
なんだど?
「ムサシ、おめえを俺の子分と見込んで頼みがある!」
「おで、子分じゃねえど」
「なに~!?」
ううう。
怖いど~。
「な、なんでもないど・・・・・・」
「ムサシ、今日来た転校生にカンチョーしてやれ!」
カンチョー?
「で、できねえど」
「意気地なしだなあ。そんなことじゃ、いつまでたっても、俺の子分のまんまだぞ」
「子分じゃねえど」
「ムサシ、チビはチビなりに、俺の言うことだけ聞いてりゃいいんだよ! 転校生にカンチョーしてこい! そうすりゃ、俺、ムサシの子分になってやらあ!」
カンチョーしただ、いじめっ子の勇太が、おでの子分になるど?
だげど、できねえど~。
そんなことしただ、ちひろちゃんに空手チョップ喰らっちまうど~。
「みんな~! 聞いて~!」
お?
噂をすれば、ちひろちゃんが何か発表するど。
「夕方、学校終わったら、有香ちゃんと、展望台に行く人~!」
展望台?
ちひろちゃんが誘ってるから、おで、行くど~!
「しょうがねえ、千尋が、そこまで頼むんだったら、俺も行ってやっかあ」
「勇太は、来なくていいわよ!」
「なに~?!」
「やるの? かかってらっしゃい」
空手の構えだど。
ちひろちゃん、やっぱカッコイイど。
ちひろちゃんには、さすがの勇太も立ち向かえねえど。 ざまーみろだど。
だけど、勇太も展望台に行くんだったら、なんか嫌な予感がするど。
かあちゃんじゃねえけど、なんとなく未来が見える気がするど~。
どうしよ~だど~。
【夕】
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泉田 みゆき(21歳) ― 2011-09-21
【朝】
【昼】
「はい、秋冬出版社です。・・・・・・はい。萬田様ですね。少々お待ちください。・・・・・・社長、金融関係の萬田様から、3番にお電話で~す」
「ギク! 取り立て屋」
取り立て屋?
また借金?
どうなってんのかしら。
この会社、もしかして、噂どおり、かなり危ないってこと?
「みゆきちゃん、今日の格言!」
あ、竹之内課長。
再婚したばっかの課長を、パトロンにするわけにはいかないけど、
そろそろ、社長はおしまいね。
ころあいを見て、バッサリいかなきゃ。
「竹之内課長、格言、お願いします! 私、ここで働くようになってからずっと、課長の格言をメモしてるんですよ」
けなげさアピール。
いつ、再婚相手のことがイヤになって、私のパトロンになるかわからないからね。
布石を打っておかないと。
「うれしいねえ。じゃあ、今日の格言。『難しいことは、簡単に。簡単なことは面白く。面白いことは真剣に』・・・・・・いい? 世の中、難しいことばっか言って得意になってる連中が多いけど、難しいことを言ってるうちは、まだまだ頭が悪いんだよね。本当にデキるやつってのは、面白いことを真剣にやってるもんだよ」
なるほど~。
竹之内課長の格言は、いつもながら納得~。
ためになるわあ。
ブサイクだけど。
そういえば・・・・・・。
「加藤さん」
「なに? 泉田さん」
「例の企画書、できました?」
「あ、えーと。実はさ、まだなんだよね」
ほらきた。
いつもそうなんだから。
奥さんと、暇さえあればメールしたりしてるから、やることちゃんとできなくなっちゃうんだよ。
「・・・・・・じゃあ、こういうのはどうです? 結婚しない独身30代の女子力っていうの。ほら、ウチの会社にもそういう独身力を持ってる人いるから、企画が案外通りやすいかもよ」
「なるほど! スゴイよ泉田さん! そのアイデアもらっちゃっていい?」
「もちろん。どうぞどうぞ」
「・・・・・・じゃ、じゃあさあ。竹之内課長に、そのアイデアをそれとなく売り込んでおいてくれないかなあ。お願い!」
「いいですけど」
うふふ、わたしの頼りになるとこ、また見せちゃった。
加藤さんは、奥さんに甘えん坊だから、強く出ればイチコロね。
さあてと、洗い物でもしようかしら。
こんなふうに、しおらしくするのもひとつテクニックなのよね。
みんなのコップを洗ったり、たまに漂白したりして、仕事だけじゃないってとこを見せておけば、男なんてイチコロなのよ。
イレグイね。
「・・・・・・み、みんな! 聞いてくれ!」
え?
社長、どうしたの?
急に大声出して。
「今月の給料・・・・・・期日までに払えない! す、すまん!」
えー!
やっぱり。
噂はほんとうだったのね。
はあ・・・・・・潮時だわね。
速やかに新しいパトロン探さなきゃ。
「そんなあ。・・・・・・泉田さん、今夜はやけ酒だあ! ちょっと付き合ってくんない?」
「あら、加藤さん、珍しいですね」
加藤さんじゃ、私のパトロンは無理ね。
奥さんの帰りが遅い寂しさを紛らわすだけなら、ゴメンだわ。
だけど、今日は特別付き合ってあげる。
ま、夜のバイトの時間までだけどね。
「うれしい! 給料もらえないなんて、ムシャクシャするから、飲みましょ!」
金の切れ目が縁の切れ目ね。
さよなら、社長。
【夕】
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諸星 俊介(24歳) ― 2011-09-20
【朝】
【昼】
うひょひょ~!
さすが、島唯一のブティックだあ。
女、女、女・・・・・・まさに女の園だぜ!
いい女、マニアックな女、エロい女は、いるかなあ?
定点観測。
いるいる。
粒ぞろいのアワビたち。
うひょひょーい。
あれ?
あれれ?
もしかして、もしかしたら?
もしかするってぇと?
あ!
やっぱ、後藤みづき~!
すげえ。
生だ。
このチャンスを逃すわけにはイカン!
そ~っと近づいて、後ろから髪の毛のニオイを・・・・・・。
スーッ・・・・・・ハァ~。
これだ!
このニオイ!
「フルーティー!」
「え? なに?」
あ、しまった。
思わず叫んじゃった。
こうなったら、破れかぶれだ。
「生アイドル生みづきちゃんの生ニオイを嗅がせてください!」
「キ、キモーイ! なにこの男!」
逃げられたあ!
・・・・・・くっそー。
しゃあない。
ブティックを巡回して。
物色物色。
お?
おっと。
いい乳、見っけ!
チビTシャツに、乳首透けてんじゃん。
しかも、この膨らみ。
人差し指で、ツンツンしちゃおうかなあ?
ツンツン。
ホレホレ、よがってみろ。
声出していいんだぞ。
「辛抱たまらん!」
あ、また声出しちゃった。
やべえ。
「すみません、このTシャツ、売り物ですので・・・・・・他のお客様のご迷惑にもなりますし」
店員に怒られちゃった。
作戦変更。
乳を揉んでる感触を想像しながら、手を握るってのはどうだろう?
よし、やってみよう。
ちょうど、新しく客が来た。
「あ、すみません。僕、諸星というものですが」
「え? あ、今野ですけど、何か?」
「いえ、手になんかついてますよ。ちょっと見せてください」
「手に?」
「ほら、ここ・・・・・・ここですよ。・・・・・・ああ、やっこーい!」
「なにすんのよ! この変態!」
バッシーーー!!!
「痛っ!」
な、殴られたあ!
しかも、左手で。
薬指に指輪してたな。
うひょひょ~!
人妻!
人妻って言葉の響きがエロいんだよな。
うんうん。
エロい人妻に殴られたわけだ。
いい!
この感覚を忘れないうちに、もう1回だけ、さっきのマネキンの乳をモミモミして。
それから、会社行こうっと。
【夕】
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