【朝】

【昼】


今日は、すごく暑いなあ。
カキ氷が食べたい。
イチゴがいいなあ。

でも、靴磨きをしてほしいっていうお客さんがいないと、
お昼ご飯、また抜きだぞ。
だれか、靴を磨きたいって人いないかなあ。

ぼくが少しでも働いて、兄ちゃんのこと助けないと、兄ちゃんがかわいそうだよ。

あ、たこ焼き屋さんが来てる！
ってことは、萌ちゃんも来てるのかな？
お金があったら、萌ちゃんと同じ、私立の小学校にいけるんだけど。
今のまんまじゃ、無理だもんな。

だけど、ぼくは、萌ちゃんに告白するんだ。
それで、大人になったら、萌えちゃんと結婚するんだ！
今日こそは、告白するぞ。

「ジローくーん！」
あ、萌ちゃんだ。
やっぱり来てたんだね。

「萌ちゃん」
「ジローくん、萌ね、お絵描きしてんの。ジロー君、モデルになってちょうだい」
「うん、いいよ」

萌ちゃんが、ぼくの顔を描いてる。
緊張するなあ。
萌ちゃんに告白するなら、今なんだけど、でも恥ずかしくってできないや。

「ほい、ジロー君と、萌の絵だよ。二人で仲良しだね」
「萌ちゃん、あ、ありがとう。とっても上手に出来てるよ」
「うれしいなあ」

よし、告白しよう。
今だ。
「萌ちゃん・・・・・・。あ、いや、学校どこ行くの？」
「本土のねえ。私立の小学校なんだよ」

やっぱり、私立か。
ぼくには、とても無理だ。
・・・・・・はあ。

「萌、二郎君のお仕事の邪魔しちゃダメだぞ！」
萌ちゃんのお父さん。
「いいんです。ぼく、楽しいですから」

「そうかい。・・・・・よし！　じゃあ、いっちょオイラの靴も磨いてくれや！」
「ありがとうございます！」

ん？
萌ちゃんのお父さん、これ、靴じゃなくて、雪駄だ！
どうしよう。
鼻緒のところを、ちょっとキレイにしようか・・・・・・。

「二郎君、くすぐってぇよ！　・・・・・・しまった！　お金持ってねえや！
　 二郎君、スマン！」
そ、そんなあ。

「よし！　その代わり、漢の特性たこ焼きで、勘弁してくれや！」
わーい！
お昼ご飯だあ！

ん？
なんだろう、この食感。
この甘さ。

「どうだい？　うまいかい？」
「これもたこ焼きなんですか？」

「おう、オイラのオリジナルたこ焼きだ。生クリームとイチゴが入ってるんだゼ」
えー！
ケーキ？！
ケーキたこ焼き？！

「お？　二郎君、あそこで靴磨きしてほしそうな、オッサンがいるぜ」
どこ？
あ、いたあ！

「君か？　少年靴磨きってのは？」
「は、はい」
「わしは、大作家の和田というものだが、君の生き方に感動したから、靴を磨いてくれないかな？」

「はい！　それでは、このイスにお掛けください」
うわ、すごく高そうな靴。
本革なんて、珍しいぞ。

「おじさん、いい靴履いてますね」
「なんだ、わかるのか？　うれしいなあ。１０0万円あげよう！」

す、すごい！
１００万円だあ！
本当にいいのかなあ？

「こんなに沢山・・・・・・」
「いいんだよ、少年。君を見てると、アイデアが湧いてくる。アイデア料込みだ。ガーハッハハハハ！」

やったあ！
これで、美味しいものもいっぱい食べれるぞー！

兄ちゃん、今夜はごちそうだよ！


【夕】


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