馬場 二郎(4歳)2011-02-16


【朝】

「二郎~。そろそろ、起きなよ」
一郎兄ちゃんが、ぼくを起こしてくれたあ。
兄ちゃんは、とても優しいんだ。
ぼくは、眠たい眼をごしごししながら、大きなあくびをしたよ。

「ふわぁ~。兄ちゃん、おはよう」
「おはよう、二郎」
「あれ? お母さんは、どこ?」
ぼくは、いつも隣にいるはずのお母さんがいないってわかって、キョロキョロ探したんだ。

「それが、朝早くどっかへ行っちゃったみたいなんだ。兄ちゃんが、起きた時には、もういなかったんだよ。父さんなら、相変わらず居間で、横になってるけどね・・・・・・」
兄ちゃんがちょっと悲しそうに言うんだ。

ぼくは、そんなに気にしてないってふりをして、元気良く兄ちゃんのまわりをぐうるぐる廻ったんだ。
「お腹空いたあ!」
「・・・・・・ごめんよ二郎。今朝は、これ1枚しかないんだ」

兄ちゃんが、食パンを一枚、ヒラヒラさせてみせたんだ。
「わーい! おいしそう! でも、兄ちゃんの分は? ・・・・・・半分コする?」
「あ、ああ。・・・・・・兄ちゃんなら、さっき食べたからいいんだよ」

ぼくは、それを聞いてひと安心。
兄ちゃんから食パンをもらって、ぼくは、パンのみみのとこから食べるんだ。
「むしゃむしゃ・・・・・・すごくおいしいよ! 兄ちゃん!」

「じゃあ、兄ちゃんは、学校に行くからね。二郎、あとは頼んだよ」
「うん!」

お腹いっぱいになったから、今日も公園で靴磨き、がんばるぞ。
「父ちゃん、ぼく、私立に行くんだ!」
「ん? 私立? 何言ってんだ? 勉強なんてしたって、金持ちにゃなんねえよ。二郎、働けや」

「父ちゃん、ぼく、萌ちゃんと同じ、私立に行って、萌ちゃんと結婚するんだ!」
ぼくは、とうとう父ちゃんに言ってやったんだ。
父ちゃんが、働かなくたって、ぼく、自分の学費は自分で稼ぐからいいもん。

「父ちゃん、ぼく公園に行ってくるよ」
「おう」


【昼】


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コメント

_ tatsu ― 2011-02-16 21時16分48秒

二郎4歳、公園で靴磨きとは泣かせますね
掛け蕎麦一杯くらいならご馳走しますよ。

_ tatsuさんへ ― 2011-02-16 21時22分28秒

矢菱さんがお休みの間、もしくは復活してからもしばらく
こんな感じのダラダラとしたブログが100話続くんですけど
いいんでしょうか?(笑)

二郎くんは4歳で、ぐうたらオヤジを助けようと頑張ってます。
これからも彼を応援してください!

_ haru ― 2011-02-16 21時24分47秒

うぅーわぁーん!!って、なんて表現したらいいのでしょうか。
この兄弟のいじらしさ。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。ナミダ、ナミダまた涙。。。

それよっか、親父!オメーが働けってんだー。いい歳こいて、コラ福助!

と、思うのは私ばかりではないと思うのですが。。。
(あら、私。。。なんか地が出てる見たいオホホホ。うんっ…痔じゃないですからね!)

_ haruさんへ ― 2011-02-16 21時46分57秒

痔なんですか?(笑)
そんなわけで、こんなすさんだ家族にはたして幸福は訪れるんでしょうか?
父親にharuさんの怒りの鉄槌は下るんでしょうか?
そんな、思いを抱きつつ、それぞれの1日は少しずつ進んでいきます。
一郎、二郎、運命に負けるな!

_ りんさん ― 2011-02-16 22時42分39秒

4歳の子が学費を自分で稼ぐなんて、泣かせますね。
公園で「おじちゃん、靴磨かせておくれよぉ」とか言ってるんですかね(笑)
あとは、お母さんの行方が気になります。

_ おりんさんへ ― 2011-02-16 22時51分29秒

チャップリンの名作に「キッド」ってのがあります。
親のいない子供を貧乏なチャップリンが、いじらしく育てるという映画です。
貧乏でも、愛が溢れているって感じの。
それに比べて、どうです?
このギスギスしたさげすまれた感じ。
靴磨きはイヤですけど、
「さあ、私のヒールをお舐め!」
っておりんさんに言われたら、どうしよう(笑)

_ 海野久実さん ― 2011-02-17 01時05分01秒

歳の離れた兄弟ですね。
もしかしたら異母兄弟?
あ、ごめんなさい、もし図星だったら設定変更なんて事になっちゃうかも~
だけど4歳で靴磨きはちょっと過酷ですね。

_ 海野久実さんちゃんへ ― 2011-02-17 12時16分22秒

海野さんの名前、自分で「さん」付けしてる~!
これを見逃して、「海野さんへ」ってやったらツッコミ入れられるとこでしたゼ(笑)
ぐっへっへっへっへ。

そんなわけで、4歳のガキんちょに靴みがきをさせる親っているんでしょうか?
いたとして、それで今後、この二郎少年は幸福になるんでしょうか?
ああ、顛末やいかに!

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