増田 梓(17歳)2011-09-25


【朝】

【昼】


「・・・・・・と、いうわけで人類は、何度も異星人の侵略を受けてきたわけだ。特に、サードインパクト前の100年間は、人類の存亡をかけた戦いと言ってもいいだろう。『駆ける馬戦争』については、教科書の・・・・・・69ページに説明があるので、アンダーライン!」

あ、『駆ける馬戦争』って、知ってる!
佐野先生が大事だって言ってた。
優しい声で。
うふふ。

これで、勉強さえなければ、佐野先生とラブラブでいられるのに。
わたし、佐野先生と結婚してもいい。

「じゃあ、サードインパクト後の異星人参政権について。その問題点を言ってみろ・・・・・・えーと、増田」
え?
わたし?
どこだっけ。

「梓、74ページだよ。ほら、2項目」
「74ページ・・・・・・竹之内君、ありがとう。・・・・・・えー、異星人による緩和的な侵略につながるからです。たとえば、テレビなどで、マスコミが、異星人の芸能人を過度にもてはやしたり、異星人への納税の義務を人権侵害だと主張するようなことがあり・・・・・・えーと」

「よし、増田、よく勉強してきてるな。マスコミへの異星人文化の浸透については、次回の授業で詳しくいうことだから、まあ、そのへんでいいだろう。」
ふう、よかった。
これも、佐野先生のおかげ。

「竹之内君、助かったわ」
「いいんだ。それよか、増田、お前、親のことなんて呼んでるんだ?」
親?
竹之内君、どうしてそんなこと聞くんだろう?
まあ、いいわ。

「ママと、パパ。・・・・・・だけど、わたしパパのこと大っキライだから、パパなんて呼ばないけどね」
「・・・・・・ママ・・・・・・かあ」
「でも、なんで?」

「い、いや、なんでもないんだ。気にすんな」
変なの。

さ、復習しなくちゃ。
『駆ける馬戦争』っと。
復習、予習は学習の基本だって、佐野先生が言ってた。

佐野先生。
今日、会ったら、吾郎さんって言ってみようかな。
ダメダメ、言えない言えない。

ああ、早く授業終わらないかなあ。
夕方は佐野先生が来るもん。
楽しみだなあ。

地獄の中にいて、唯一の楽しみ。
佐野先生と、ずっと一緒にいたい。


【夕】


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コメント

_ 矢菱虎犇 ― 2011-09-25 20時52分34秒

異星人が社会に融合しちゃってる世界?
壮大な世界が島の日常を送る住民たちの視点から徐々に明らかになってくるっていうのがワクワクしますねぇ。
連休はレンタル映画三昧です。
ブラックスワン→ホラー映画じゃんか~!
アジャストメント→キスで運命変わるなんて眠り姫かよ~!
トゥルーグリット→コーエン監督なのに変態っぽくないぞ~!

_ 矢菱さんへ ― 2011-09-25 21時05分42秒

連休、一言DVD評価!
見まくりましたねえ(笑)
アジャストメントは、どうでした?
眠り姫ね。
ちょっと、そうでしたね。
でも、どうでしょう?
幸福操作官っぽくなかったですか?
ダメ?
あ、全然違いますね。

_ りんさん ― 2011-09-26 23時48分32秒

異星人参政権?なるほど、この時代には異星人もいるということですか?
ひょっとして、この島以外には異星人がウヨウヨいるとか…。
興味深いですね。

_ おりんさんへ ― 2011-09-27 12時42分42秒

徐々に国が、外国人によって蝕まれていくと
食い殺されていってることに気づかないもんなんですよね。
パチンコ屋の儲けが、どこへいくのか?
あしなが共同募金で集められたお金は、誰が受け取っているのか?
外国人参政権や人権擁護の先に、何が待ち受けているのか?
芸能ニュースは、若者をどこへ誘導するのか?
その先にある未来が、幸福操作官の舞台なのかもしれません。
なんつって。(笑)

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