自称、天才ブログ作家 足毛布 愛作(あしもふ あいさく)の転倒2010-06-11


自称、天才ブログ作家、足毛布 愛作の素顔は、都内にある布団メーカーの総務部長である。
彼は、昼休みの僅かな時間を利用して、ブログにアップする文学史上空前のスケールで描くSF超大作の構想を練っていた。

「部長! 最近元気ないですね! また、得意の小噺聞かせてくださいよ~」
そう言えば、昼休み、NHKのニュースを見ながら思いついた小噺を吉岡君に聞かせてやったっけ・・・・・・と、足毛布愛作は思った。

「今日は、ないなあ」
そう言って、足毛布は、その場を繕ってみせた。
「なーんだ。いや、部長の小噺を俺のブログで書いたら、結構ウケちゃって・・・・・・。評判よかったンすよ」

「あ? 今なんつった?」
自称、天才ブログ作家、足毛布愛作は、椅子から転げ落ちそうになった。

「部長の小噺、人気ありますよ、俺のブログで」
「よ、吉岡君、君はブログやってんのか?」
足毛布愛作は、目を白黒させた。

「あ、はい。みんなやってますよ」
「な、なに?! じゃあ、みんな文学の才能が・・・・・・」
「文学っすか? そういうんじゃないんですよ。まあ、テキトー日記みたいなもんですよね、ブログって。ねえ、ヴァッキーノさん」

「そうですよ、部長。ボクもやってますもん。ショートショートなんですけど。ヘンリー・スレッサー最後の冒険!」
ヴァッキーノが、ポーズをとってみせた。

「ヘンリ???」
「これですよ・・・・・・ホレ!」
ヴァッキーノがケータイを取り出して、足毛布愛作に自分のブログを得意げに見せた。

「な、なんだ、コリャ! 小学生の作文じゃないか!」
「あはは! 部長、うまいこと言いますね~。部長もやってみたらいいじゃないですか。いつもの小噺とか書いたりして」

「しかし、著作権とか、そういうのはクリアしてんのか? いくらなんでも書いていいことと悪いことはあるだろう?」
自称、天才ブログ作家、足毛布愛作が吉岡君のブログも見ながら言った。
「そんなの、別に気にしなくたっていいんっすよ。俺なんか、ウンコとかチンコとかバンバン書きますからね!」

「なに?!」
「ヴァッキーノさんだって、たまに18禁とかやりますもん」
「あ、あれは、ホラ、ブログ村のランキングを強引にアップさせるためにやってんの。エッチな画像もいいよ。スケベな人が多いから、アウトポイント急上昇~!」
ヴァッキーノが照れながら言った。

どうなってるんだ? ブログで文学を志すことは間違いなのか?
コイツら、まったく文学の魂を感じない。

そうか、ここで俺の登場だな!
こんな荒れ果てたブログ界には、俺のような天才ブログ作家が必要なんだ!
ブログ・レボリューションだあ!

足毛布愛作は、そう思った。
そして、自称、天才ブログ作家の創作意欲がふつふつと沸いてきた。
「・・・・・・そのためにも、まずは十八番の小噺を載せて、読者の心をつかんでおく必要があるのかもしれないな」
「ん? 部長、なにブツブツ言ってるんですか?」

「あっははは。いやあ、君たちのブログ、面白いねえ。そうだなあ。俺もブログでも始めてみようかなあ。あっははは。まあ、気楽に、俺の得意のテキトー小噺でも載せれば、みんな読んでくれるんだろ?」

その言葉に吉岡君と、ヴァッキーノの目の色が変った。
「部長、ブログってそんなに甘いもんじゃないんですよ!」

「ガーン!」
自称、天才ブログ作家、足毛布愛作は、今度は本当に椅子から転げ落ちてしまった。


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コメント

_ 矢菱虎犇 ― 2010-06-11 21時00分21秒

おおっ早速来ましたね~自虐ネタ!

思い当たるな~
画像、ついつい女の子にしたりエッチなのにしたりしちゃうんだよなぁ
タイトルも、ちょっと思わせぶりなタイトルにしちゃうんだよなぁ

僕もりんさんやヴァッキーノさんみたいに人柄で常連の方が集まるようなブログをめざしたいなぁ!
と言いつつ、
18禁ネタもバンバン行くぞ~ウヒョヒョヒョヒョ~

_ tatsu ― 2010-06-11 23時25分57秒

「ブログってそんなに甘いもんじゃないんですよ!」
本当っすね。

_ りんさん ― 2010-06-12 00時12分26秒

足毛布さんは布団やだったんですね。
そしてまさかのヴァッキーノさん、ご本人登場!!
ブログ始める前から、天才って言ってりゃ世話ないですね。
本当の天才は、自分で言いませんけどね(笑)

_ ヴァッキーノ ― 2010-06-12 06時40分09秒

矢菱さん
まさかまさか酔っ払って、昨日は眠ってしまい
コメントが遅くなってしまいました!
もし、ボクがブログ村のランキングに参加してなかったら
きっと、画像はもっと地味な感じだったんじゃないかなあって
思うことがあるんです。
こういう姑息な自分をボクは誉めたい!
所詮、人間なんて欲のかたまりだ!
やったあ!

_ ヴァッキーノ ― 2010-06-12 06時43分37秒

tatsuさん
どうにかして、自分のブロウを読んでもらおうという
その浅はかさが、どうしてもこういう情けない文章になってしまいます。
だけど、その一方で、人気ブロガーの人のブログなんかだと
一言しか書いてないのに、1日に何万人もの人が見に来るんですよね。
ボクってどこまで行っても庶民なんですよねえ(笑)

_ ヴァッキーノ ― 2010-06-12 06時46分45秒

おりんさん
そうなんです。
足毛布は布団屋なんです。
なんでかって?
毛布だから・・・・・・。
そんなわけで、ボク自身も登場してますが、
実際のボクは、自分がブログやってるなんて仕事場では
一言も言いません。
でも、僕の上司は毎日得意になって、自分のブログ自慢をするんです。

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