どうだろう。
もし、あなたが、ある日突然、もうひとりの自分と対面することになったとしたら・・・・・・。

世界には、３人くらい自分と同じ姿の人間がいるというし、また、ドッペルゲンガーなんていう、もうひとりの自分を見たら、死ぬっていう恐ろしい話しまである。

だけど、それが現実に起こったら、あなたはどうするだろう？
尾行するだろうか？
話しかけるだろうか？
それとも、まさか自分だとは思わずに、見過ごしてしまうだろうか？

私は、見過ごさなかった。
私は、もうひとりの私に気付いた。

もうひとりの私は、私とまったく同じ柄のスカートを履いていて、同じデザインのＴシャツを着ていた。
結婚まで誓った彼と、別れたばかりの、私がそこにいた。
愛なんて、どこにも存在しないんだと思っている私だ。

私は、そんな、絶望的なもうひとりの私のところへ近づいて行って、彼女の瞳を見つめた。
もうひとりの私も、食い入るように私を見つめていた。

そして、私たち何も言わずに、キスをした。
自分の唇に、自分の唇の柔らかいぬくもりを感じた。
私の舌と、もうひとりの私の舌がねっとりとした唾液を含みながら絡み合った。

私たちは、どちらともなく車の後部座席へ滑り込んで、Ｔシャツを脱ぎ、ブラを外した。
どちらが先に、乳房を愛撫し始めたのか、どちらが先に、スカートの中へ掌を忍ばせたのか、もうそんなことはどうでもよくなった。

自分の感じるところは、自分が一番よくわかっていた。
だから、私たちは夢中で愛し合った。
何度も何度も絶頂をむかえた。
とめどなく流れ出る汗と体液が、シートをグショグショに濡らした。

私は、私に言った。
｢愛してるわ｣
｢私も｣

私は、この時、自分のことを一番愛していたんだとわかった。

あなたは、どうだろう？


どうでした？
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