【アリとキリギリス】
アリたちは、体にフィットした真っ黒で地味な服を着て、行列を作って歩いていた。それを見ていた緑の派手な燕尾服のような服を着たキリギリスが、アリに尋ねた。「あんたらずいぶん地味だねえ」「当り前だよ。これからみんなで、踏み潰されて死んだ仲間の葬式に行くんだから」アリはしんみりと答えた。

【北風と太陽】
寒い冬。一人暮らしの老人が部屋でキムチ鍋を作ろうとした。だが、ガスが止められ、火がつかないことに気づいて悲しげに空を見た。太陽はふびんに思った。「可哀想に私の熱で鍋を作ってやろう」鍋はあっという間に出来た。だが、老人は猫舌だった。そこで北風が言った。「私が、ふぅふぅしてあげよう」

【キツネとツル】
キツネは、ツルになりたいと願い、葉っぱを頭に乗せた。ツルになって優雅に飛んでいたキツネは、鉄砲で打たれ瀕死の重傷を負ったが、心優しい猟師に助けられた。「なんと美しいツルだ。キツネなら捕って食うが、このツルは逃がしてやろう」ツルになったキツネは、恩返しをすべきかどうか悩みに悩んだ。

【カラスとキ ツネ】
「なあ、俺たち干支の仲間に入ってないんだぜ」カラスがキツネに言った。「酉年で括ればカラスも入るでしょ」「そういうキツネだって戌年で括れば入っちゃうよ」「え？僕って犬なの？」「哺乳綱ネコ目イヌ科だよ」「君ってインテリだな」と、キツネが感心して言った。「ニワトリと一緒にしないでよ！」


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