【朝】

いつもいつも、私のことを怒らせるツヨシ。
どうして？
わざと？

私にブリティッシュな朝を迎えさせてはくれないわけ？
ああ、味気ないけど、喜びに満ち溢れたロンドンの朝がなつかしいわ。

日本人の男性は、デリカシーがないのよ。
仕事して、疲れて帰ってくれば、それでＯＫみたいな。

テーシュカンパク？
そういうのって、日本文化の悪い部分だと、私は思うの。

ツヨシの料理の腕に一目ぼれしたのは、私の方だけど、でも、だからって、料理のことだけじゃなくて、私のことも見てもらいたいわ。

「あなた、どうして昨日、帰るコールしてくれなかったのよ。もし、ワタシが死んでしまってたら、どうするの？　ひどいわ」
もう！
Awful！

｢いや、昨日はずっと忙しくって・・・・・・それで｣
｢また言い訳？　あなた、もしかして、また浮気してるんじゃないでしょうね？｣

ロンドンっ娘の勘をなめたらイカンぜよ！

｢浮気なんてしてないよ～｣
｢うそだわ！　うそうそ！　あなたのケータイに知らない女の子からメールがきてたじゃない！　浮気者！｣

｢ち、違うよ。あれは、店の従業員の女の子で・・・・・・｣
｢この女ったらし！｣

バシッ！

従業員の女に手を出すなんて！
｢私には、カエル・コールしてくれないのに、その若い女とはメールするのね！　Disgusting！｣

謝ったら、すぐに許してあげるっていうのに。
どうして日本男子って、こうも頑固なの？

「ママ、カエルさんたちがみんなで歌うの？」

え？　なに？
エミリったら、またわけのわからないことを突然言い出すんだから。

ふふふ。
だけど、エミリのお陰で、場が和むわ。

ツヨシのことは、許さないけど、まあ、今日のところはエミリに救われたわね。

さて、お仕事へ行きましょ。
秘書としてのケイトに変身よ。

山田社長は、まだ小学生だけど、天才だもの。
秘書として、私がちゃんとサポートしてあげなきゃ。
目指すは、名探偵ポアロの秘書ミスレモンよ。

Think positive!


【昼】


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