【朝】


おはよう彩子さん。
今日も俺に天使が舞い降りてくれるかな？
彩子さん、あなたは俺のエンジェルだ！

見てくれ、俺のこの上半身を。
彩子さんは、細マッチョが好きだという情報を手に入れてから、俺は鍛えたんだ。
そして、ついに腹筋の割れた細マッチョになったんだよ！

こんなにも彩子さんのことを愛しているのに、なぜわかってもらえないんだろう？
もしかして、金子が言うように、オシがまだまだ足りないのだろうか。

俺は俺なりにいろいろやってるつもりなんだけどな。
例えば、業務用の拡大コピー機を購入して、Ａ１サイズに拡大したほぼ等身大の彩子さんの写真を飾るとか･･････。

やはり、ここはまたしても手紙を渡すしかないのか。
デジタルの時代だからこそ、手書きのメッセージが心に響くんだ。
そうだ、ただ渡すだけじゃダメなんだ。
彩子さんのブティック、マテリアル・スタイルに行って、そこでこの愛の手紙を声高らかに読み上げよう！

《ディア　愛しい彩子
俺のこの気持ち、もう気づいているよね。
君は、摩天楼にきらめく明かりよりも輝いている。
そして、君は本物の天使よりも愛のなんたるかを俺に教えてくれた。》

・・・・・・ううう。
昨日の夜書いたから、なんだか朝読み返すと、雰囲気が違う。

朝、目が覚めたら彩子さんが、俺の隣でスヤスヤと寝息をたてていたりしたら、もっと素直な気持ちを手紙にしたためることができるっていうのに！

どうやったら、彩子さんが俺に振り向くんだ。
ああ、もどかしい！

そうだ。
上杉と戸塚、最近つき合い始めたってもっぱらの噂だったな。
やつらの馴れ初めを聞いて、どうやって上杉が戸塚をゲットしたかわかれば、俺もそれを参考にして、彩子さんをゲットできるかもしれない。

ようし、だいぶ前途有望になってきたぞ。
ああ、彩子さんのことをどうしてこんなにも愛してしまったんだろう。
彩子さんのことで頭の中が充填されてる。

俺の月、彩子。
俺の星、彩子。
俺の太陽！

うおーー！！！！
俺の彩子、サイコー！
・・・・・・なんつって。

今日こそ、彩子さんをゲットだぜ！


【昼】


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