諸星 俊介(24歳)2011-05-28


【朝】


ラジオの声に~♪
健や~かな胸を♪
この香る風に開けよ♪
それ、1、2、3!♪

健やかな胸ってどんな胸だっつう話だよな。
子供サイズでパッツパツの白いTシャツを着たノーブラボインの乳のことか?
毎朝、この曲歌うたびに、いろんな妄想かきたてられるゼ。

やっと、朝イチの家族のスキンシップが終わったゼ。
こんなこだらねえ朝の日課より、俺の日課の方が大事だっつう話だよ。
各部屋のいたるところに隠しておいたビニ本の中から、本日のイチオシは・・・・・・。

これだ!
『濡れたトマト』
秋冬出版社。
64ページ。
オールカラー。

これを持って、トイレ、トイレっと。
うひょひょ~。
この乳、でけぇなあ。
なんといっても、この熟した崩れ具合がサイコーだゼ!
まさに濡れたトマトっつう話だよ。

俺もこんな写真撮ってみてえゼ。
こんなかわいい女の子が、なんでこう・・・・・・乱れまくれるんだ?
かわいいってことは、黙ってたってモテちゃうわけだから、こんなモデルやらなくたって、いくらでもフリーなはず。

それにもかかわらず、エロの世界へ身を投じ、俺にこうやってなじられるように見らてしまうなんて!
うひょひょ~。
元気100倍だゼ!

そういえば、達也のヤツ、なんだか最近元気ないゼ。
どうしちまったんだろう?
兄貴として、ここはなんとかしてやらねえとな。
アイツ、あれで結構繊細なとこあるからな。

そうか、達也にはこういう興奮が足りねえんだよな。
エロは元気の源だゼ。

「達也ー! 達也ー!」
トイレに入って、達也のこと心配してるなんて、俺も弟思いだゼ。

「なんだよ、兄さん。トイレから大声で」
「お前、悩み事でもあんのか?」
「な、なにもないよ」
「うそつけ! 兄貴の目はごまかせねえゼ」
「本当になんでもないって」
「よし、お前に元気が出るものやるゼ。・・・・・・これを受け取れ!」
特別に、俺の宝物をプレゼントだ。
ドアの隙間から。

「・・・・・・え? なんだよコレ? 『濡れたトマト』? うわ! エロ本じゃないかあ! いらないよ。俺、こういうの興味ないし」
「いいから、受け取っておけ。気持ちだよ、俺の」

なんつう欲望のカケラもない弟だ、達也は。
こんなことなら、『濡れたトマト』くれてやらなきゃよかったゼ。
ま、トイレにも最新のビニ本が隠してあるからな。

これだ!
『特選3D桃園画報』
秋冬出版社。
64ページ。
メガネなしでも、飛び出して見えるんだゼ。
・・・・・・こうして、一定の距離までゆっくりと離していって。
・・・・・・遠くを眺めるような目で、この2点を見る。
すると・・・・・・うひょひょ~!
浮いてきたあ!

だけど、いくら3Dっつったって、やっぱ生の女にはかなわねえゼ。
ブラからはみ出した生のテカテカした乳。
スカートからニョキニョキ伸びた生のレッグ。
人体の不思議だゼ、まったく。

今日も仕事に行く前に、ブティックにでも行って、生の乳を見物すっか。
夏はサイコーだゼ。
薄着の女がいっぱいブティックに群がって来るからな。

あ、思い出した。
白いTシャツを着たノーブラボインの乳、揉みしだきてー!


【昼】

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コメント

_ 矢菱虎犇 ― 2011-05-28 18時06分31秒

あ、また『ラジオ体操のうた』が聞こえてきたぁ。
同じ家に暮らしている家族でありながら、頭の中はホント全然ちがうこと考えてるんだなぁ~。もしテレパシーの能力なんてあったら恥ずかし~。
ビニ本ってありましたね、昔。透け透けパンツから見えるか見えないかみたいな。夜中に明るく灯った店の佇まい、懐かしいっす。
今じゃ、セルDVDの店がどんどん閉店していってます。時の流れを感じますねぇ。

_ りんさん ― 2011-05-28 19時00分20秒

ああ、ラジオ体操家族のひとりですね。
全然さわやかじゃないんですけど。
メガネかけて3Dになったからって、そんなに嬉しいのか?
って思っちゃいました。
トイレの中から「悩み事あんのか?」って聞かれても…ねえ。
笑いました^^

_ 矢菱さんへ ― 2011-05-28 19時31分23秒

この家族は、大家族なので、けっこういろんな人たちがいるんですよね。
今回は、このエロ命な男。
エロでなんでも解決してしまおうという。

ビニ本ってネーミングは、うまいこといいますよね。
昭和です。
今は、普通の本屋でもマンガなんかは、立ち読み防止のために
ビニルで覆われていて、いうなればビニ本っすよね(笑)

_ おりんさんへ ― 2011-05-28 19時35分40秒

ラジオ体操やってても、考えてることはエロ。
男なんて、いくら真面目な顔して、もっともらしいこと言ってても
結局、極論すれば、エロなんですよね、ほとんど。
ボクも男なんですけど、たまに男ってのは、なんでこんな本能を持ってるんだろう?
と、自分がイヤになることがあります。

ボクだけでしょうか?
いいえ、誰でも。

_ 海野久実 ― 2011-05-28 21時05分42秒

「ラジオ体操のうた」って、あんまりいい感じはないですね。
曲自体はさわやかですけど、言ってみればさわやかの押し売りですよね。
こっちは眠くて不機嫌なのに毎朝なんでこの曲を聴かされて、おまけに体操しなきゃいけないのー、という少年時代でした。

「健やかな胸」からこんな妄想をする彼。
ある意味すごいですね。
今回も「ビニ本」というキーワードが。
ビニ本の自販機がこちらのような田舎町にもありましたね。
そうだ、国道沿いのコイン洗車のところにも有ったんですが、それが今、壊れたままで放置されていますよ。
そのうち過去の遺産として登録されるかも。

_ haru ― 2011-05-28 21時11分21秒

あれっ?終倒出版じゃなかった秋冬出版って、ファンがいるじゃん。
でも、やっぱダメなのかなあ~。
もしかして、エロ本オンリーだったりして。それじゃダメじゃん。
色んな分野で、挑戦あるのみだよねー!

エロ本好きマニアって結構いると思うんだけど、私の知ってる限りでも、
それ、1、2、3!♪ あ、あ、あ別に名前をだしてないじゃん。
ヴァッキーノさんとか、虎犇さんとか、海野さんだ、なんて一言も言ってないモンねー!

_ 海野さんへ ― 2011-05-28 21時12分23秒

夏休み、朝早くラジオ体操をするために起きて、町内の広場へ行く。
そうすると、そこに、もう友達が集まってて、木のぼりしたりしてるです。
ラジオ体操が終わると、ハンコを押してもらって、一目散で家に帰る。
途中、鳩のヘンテコな鳴き声を聞きながら。

>ビニ本
ってのは、その広場の少し行ったとこに、茂みがあって、茂みの中に土管があって
その中に秘密基地みたいにして、山になって置いてありました。
ゴザが敷いてあって、なんか妖しい気分でした(笑)

海野さんのコメントでそんなボクの少年時代を思い出しました。

_ haruさんへ ― 2011-05-28 21時19分10秒

こらー!
ボクはエロ本マニアじゃないですよーい、ドン!
秋冬出版社は、島の小さな出版社なので、やっぱダメなんでしょうね。

あ、haruさん、このブログのサイドバーに幸福操作官に似た映画の宣伝をアップしました。
『アジャストメント』だってさ。
運命調査局による運命監視。

久々に映画でも観に行こうかなあ。
って、エロ映画じゃありませんからねえ!(笑)

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