竹之内 明子(26歳)2011-07-10


【朝】


ああ、暑いわ。
寝汗かいちゃった。
昨日も寝苦しい夜だった。

うふ。
だけど、勲さんったら、ぐっすりね。
赤ちゃんみたいな寝顔だわ。

歳の差婚だものね。
あんまり無理させたらいけないわね。
うふふ。

エアコン入れましょ。
そして、シャワーを浴びれば完璧ね。

あら、パンティにシミができちゃった。
うふふ。

さて、まずは、シャワーだわ。

ふんふ~ん♪
ふふふ~ん♪

勲さんと、私があんまりベタベタしすぎると、太くんが入ってくる隙がなくて、いけないわね。
もう少し、太くんのことも考えないと。

だけど、太くん、なかなか打ち解けてくれない。
どうすれば、本当の親子みたいになれるのかしら。
私がいけないのかなあ。

そうだ。
今夜、3人で天体観測してみたらどうかしら。
勲さんからプレゼントしてもらった、最新型の天体望遠鏡で。

火星上空に設置された衛星から通信システムで送られてくる映像を観ることができるんだから。
きっと太くんも興味あると思うわ。

・・・・・・ふう、気持ちよかった。
さっぱりしたわ。

勲さんのこと、そろそろ起こさないと。

「おはよう、勲さん」
チュッ!

「ああ、明子。お早う」
「昨日の夜は、カシオペアがとてもキレイだったわね」
「そうだね。白鳥座もくっきり見えたし」

太さんのこと、勲さんに相談してみようかな。
どうしたら、太くんと仲良くやっていけるか。
まま母って、つらいわ。

「ねえ、勲さん。太くんのことなんだけど」
「太か・・・・・・。どうだ? うまくやっていけそうか?」
「うん。だけど、太くん、私とあんまり話をしたがらないのよ。私、どうしたらいいか・・・・・・」

「まあ、明子もウチに来てまだ日も浅いし、太には、俺からそれとなく言っておくから。あとは、時間が解決してくれるさ」
そうね。
いつかは、私のこと、お母さんって呼んでくれる日がくるわね。

今夜は、太くんのことも天体観測に誘って、それから来月に行われる本土での木星調査隊の講演も聴きに行ってと。
エウロパの巨大海洋生物のパネル展も同時開催だものね。
家族みんなで、はじめて本土へ行けたら、絆が深まるかもしれない。

「勲さん、ありがとう。私、がんばれる気がしてきた」


【昼】


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コメント

_ 矢菱虎犇 ― 2011-07-10 21時40分08秒

そうそう、どんなに大変に思えたことも辛いことも、時間が解決してくれるもんですよね。過ぎてしまえば、なんであんなに悩んだんだろってくらいに。
ただ、お話は一日だけ。
なにか前進するのか兆しが見えるのかなんにもないのか・・・

未来の天体観測ってレンズだけじゃなくて電波で情報を受けとって映像化したりするようになるんでしょうね!地上からの観測映像なんて、空気の流れでユラユラしてボケボケで限界がありますもんね~

_ りんさん ― 2011-07-11 10時59分33秒

こんな若くてきれいなお母さんなら、そりゃあ話しづらいですよね。
ドキドキしちゃいますよ、太くんだって。
天体観測もずいぶん進んでいるみたいですね。
今みたいに遠い場所じゃないのかもしれませんね。

_ haru ― 2011-07-11 17時21分03秒

えっ!竹之内家、いつでてくるのかなあって、年齢だけ見てお母さんが、死んじゃったのか、
家出したかのどっちかだと思ってた。
ちなみに、私は死んじゃった派でしたが(ズコッ!)どちらも外れでしたか。(´・ω・`)ショボーン

恐るべし幸福操作官。。。これじゃ息子はたまったモンじゃないけど、お父さんは。。。幸せ!
このごろどうも私の読みがあまいなぁ。。。ブツブツ ブツブツ

_ 矢菱さんへ ― 2011-07-11 19時25分23秒

一日だけのお話なのに、このブログになってから
もう、5ヶ月が過ぎようとしとります。
一日の長さってのは、人ぞれぞれなんでしょうけど
さすがに5が月は長すぎますわな(笑)
だけど、ここはライフワーク的にあと1年半くらい
お付き合いしてもらわなくちゃなりません。
>未来の天体望遠鏡
こういうのがあったら、ほしいですよね。
できないもんですかね?

_ おりんさんへ ― 2011-07-11 19時31分33秒

こういう場合が、本当にあるんですよ。
ボクの仕事場にもいましたよ。
ボクの後輩なんですけど、昭和56年生まれなんです。
で、父親の欄が昭和51年。
んなわけないだろうって、言ったら、義理の父だそうで、
お父さんと5歳しか離れてないんですよ!
すごいですよね。

_ haruさんへ ― 2011-07-11 19時33分36秒

haruさん、今回はハズレちゃいましたか。
ボクも書いていて、こういう設定だったかあ!
って、驚いちゃいました。
なるほど、そういうこともあるにはあるんでしょうね。
でも、本当のお母さんはどうしたんでしょう?
そこは、haruさんの想像にお任せしますよ。

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