【朝】


どうも、メガネの度が合わなくなってきたようだわ。
そろそろ変えようかしら。
ま、私の場合、メガネなんてなくても、未来はお見通しなのだけれど。

さて、さっそく占いだわ。
未来を見るために、本当は、別に水晶玉を覗いたりしなくてもいいんだけれど、占い師たるもの、それなりのスタイルってのがありましょうから。

ですから、なにも水晶玉でなくても、たとえば、洗濯をしながら洗濯占い。
食器を洗いながら食器洗い占い。
朝ごはんを食べながら、ふりかけ占い。

なんていう具合に、いくらでも占いのディテールを変えることができるんですのよ。

たとえば、武蔵ですね。
我が子の未来を見てみましょう。
牛乳占い！

ゴクゴク。
｢今日、お前の学校へ転校生がやって来る｣
｢え？　そうなの？　どんな子？｣

どんな子か・・・・・・。
女の子ですね。
悲しみを背負いながら、懸命に明るく生きている。
｢・・・・・・ううう。転校生のまわりは、とても明るく輝いているぅ・・・・・・｣

こんな具合ですの。

そして、ここが、私の占いの館。
家のひと部屋を改造して、占いの館っぽくしているのですのよ。

さて、今日はどんなお客が来るか、自分自身を占ってみるといたしましょう。

ん？
んん？
目が、開きません！

あがががが・・・・・。
口と鼻から、なにか変なものがネバネバと出てきます！
体が、動かない！
だ、誰か！
誰か助けてください！

むわあ。
声が出ません！

な、なんですの？
これは・・・・・・。
も、もしや、エクトプラズム？！
こんなの初めてですわ！

ぐぐぐぐ・・・・・。

《・・・・・・く、苦しい・・・・・・。災いが・・・・・・》
私の声じゃございませんわ。
誰かが勝手に私の体を使って、話し出しましたわ！

《１０１人目だ！　１０１人目に気をつけろ！》
１０１人目？
なんのことですの？
あなたは、誰です！

《１０１人目・・・・・・島が、島がヤツに・・・・・・！》
島が？
島がどうなるんですの？

《・・・・・・し、島が！　島が！　うわぁぁぁ！！！！！》


【昼】


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