【朝】

【昼】


増田病院には、今日もいろんな病人がおるのう。
しかし、わしほどたくさん疾患を持ったものもおらんじゃろうて。

今日は、少し調子がいいから、はりきって病院へ来てやったわい。
いつ来ても、この消毒薬のニオイが堪らんのう。

「曽我さん、今日の先生は誰かのう？」
「あ、進藤さん、こんにちは。今日は、院長ですよ」
「おお！　増田先生自らわしの診察！　ではでは、今日は注射を打ってくれるかもしれんわい」
「・・・・・・ど、どうでしょうねえ」

「注射じゃ注射じゃ」
ラッキーだったわい。
山田先生だったら、ダジャレで診察終わっておったところだわい。

「じゃあ、進藤さん、診察にお入りください」
「おお！　待ってました！」
元気が出たら、浄水器をバンバン売ってやっるぞい！

「お願いします、院長」
「進藤さん、今日はどこが悪いんですか？」
「なんだか、ブドウ糖が足りんようなんじゃよ、先生」

「診てみましょう・・・・・・。うーん。進藤さん、今日もアチコチかなり悪いですね」
じゅ、重傷じゃあ！
薬じゃ！
注射じゃ！

「まず、胃ですね」
「胃癌かの？」
「いやいや、胃弱ですよ。胃下垂だし。それから、歯槽膿漏に虫歯。あと背ニキビ。近眼。いぼ痔。外反母趾。下痢。インキン。薄毛・・・・・・進藤さんの病気をあげたら、キリがない」

「う、薄毛も病気かいのう？」
「・・・・・・ま、進藤さんの気が済むように、ブドウ糖を１本打っておきましょう。加藤君、注射の準備して」

「はい。お注射しますよ、進藤さん」
今日は、加藤さんに注射をしてもらえるんじゃのう。
うーん。
消毒液じゃ。

「チクっとしますよ」
「頼んます」

おお！
気持ちええのう。

「はい、進藤さん、おしまいですよ。あと、ビタミン剤を出しておきますから」
「院長！　元気になってきよりましたわい」

よっしゃ！
今日は、浄水器が売れそうじゃわい。
気分が少しいいから、趣向を変えて、公園でフリマっぽくして売ってみるかいの。


【夕】


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