逆さに堕ちた時間に、夢見は苦く、頑なになった瞳が氷に蹲る。
渦巻きの形状が時を覆った。秘密の頂上である。
隆起させずにはおられない意思があるが、それはまた別の夢である。
雄雄しく叫ぶ。
一途なときめきがきらめきに散るように、時空が慈しみになった。
祈りになったいのちが萌える。誕生の神話が再びとなる。
響きは色を伴い、膨らみゆく香りに、愛の霧が立つ。
どれほどの誓いも、夢見を超えることは出来ない。
世界の調和には、定位の任意自由度が必要である。
躊躇いもある。香りの跡も辿らなくてはならない。
もし意味を探求すればするほどに、深さが出るように。

　　かおりして
　　いろにふかくに
　　つぼみから
　　ともにひかりの
　　ゆくえおもいて

透過する夢の、浸透の宇宙は、変化を煌きにして、薔薇を齎した。
蕾の未来と薔薇の夢がひとつになって、宇宙を牛耳ろうとする。
それは秘密の中心を力動にするが、逆説の空である。
知る者は言うことは出来ない。
知らざる者は外偏を曲解する。それでも真実は消えない。
そして影響は無限である。

時が経った。
蕾が綻びを見せ、香りが真実を伝えようとする。
開く花弁の鮮やかな色見の奥は、全ての歴史と煌きを集積させたような、深紅があった。

飾られる薔薇には気を付けよ。
そして蕾には、あなたを降参させる強い秘密がある。



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