【朝】


にゃんにゃがにゃんにゃんにゃーん！
締め切り迫る！

だけど、表紙もできてな～い。
マズったね。

アタシは、うさぎと亀を併せ持つウサカメガールだわ！
こうなったら、表紙だけでも。
下描きなしの一発勝負！

今までＧペンで描いてたけど、こういう勢いで描くときは、
筆でやってみよっと。
・・・・・・墨汁で。

よっしゃー！
行ったれぇぇぇ！

とりゃー！！！

むむむ、ケント紙が墨を！
くわー、一気呵成に！

・・・・・・はあはあはあ・・・・・・。
で、でででんでででん、出来上がり！っと。

「裕子、お前はやっぱ、天才だよな。この調子だと、編集さんが来るまでに間に合いそうじゃん」
「あやしいよ。エナジー・チャージしないと間に合わないかも」

「エナジー・チャージ？」
「そう、ユウ、おなかペッコペコ」
「おう、待ってろよ。今なんか作ってきてやるから」

兄ちゃんは、優しいなあ。
ユウは、兄ちゃんにいつも甘えてばっか。
ゴメンね、兄ちゃん。
ユウ、頑張って完成させるから！

って、言いつつ、
コマ割りは、兄ちゃんにやってもらってと。
それから、背景もお願いしよっと。

えーい、ついでにベタとホワイトも！

スクリーントーンも、番号さえ指定してやれば、兄ちゃんだって貼れるはずだから。
ここも。
兄ちゃんは、絵は下手でド素人だけど、根気はあるからね。

アタシは、登場人物を重点に。
主人公なんかは、さすがに兄ちゃんには無理だからね。

さてと、早いトコ、タカシがマイクロ大使に変身するところを描いちゃお。
まずは、赤フンドシを・・・・・・こうして。
グラサンの中に、キラリと光るヒーローの瞳。

男の人の胸毛ってどうなってんのかなあ？
「兄ちゃん！」
「なんだよ」
「胸毛って生えてる？」
「生えてないよ！」

ダメかあ。
胸毛といえば・・・・・・。
ショーン・コネリーか。

資料あったかな？
００７。
ドクター・ノー。

うんうん。
この感じ。

淀蔵博士の愛人を救うため、マイクロ大使が今、立ち上がる！
いいじゃんいいじゃん。
調子でてきたよ。

にゃんにゃがにゃんにゃんにゃーん！


【昼】


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