秘密諜報本部【競作リンク集】2010-09-04


ここは、某国にある秘密諜報本部。
ここから、世界に散らばっている秘密諜報員へ指令を出している。

今回の各国にいる秘密諜報員への任務は、 ある情報源より、もたらされた「薔薇の蕾」という暗号についての謎の究明にある。

はたして、秘密諜報員たちは、どんな情報を持ちかえってくるのだろうか?

会議室では、数人の幹部が集まり、秘密諜報員から刻々と送られてくるメッセージを分析していた。

会議室のドアが開いて、研究所の技官が飛び込んできた。
「会議中、すみません! ただいま、エージェントLより『薔薇の蕾』の情報収集装置完成の知らせが入りました!」

「よし、見せてもらおうか」
中央に座っている幹部が、技官から報告書を受け取った。

 エージェントLからの報告


「なるほど、この新製品については・・・・・・」
その時、モニターに映像が映し出された。
「これは?」
「エージェントVからの眼球映像による報告です」
「よし、解析しろ!」

エージェントVからの報告


「さっきから気になっていたんだが・・・・・・」
幹部が会議テーブルの上の一枚の写真をピラピラさせながら言った。
「この老人は何者だ?」
「はい。若いエージェントからの資料に入っていたものです。なんでも、今は引退した古参のエージェントらしいんです。たしか・・・・・・T。エージェントTとかいってました」
「なに? あの伝説の?!」

 エージェントTからの報告


「で、その伝説のエージェントが、どんな情報をもたらしたというんだね? 所詮はOBじゃないか」
「ところが、エージェントTは、薔薇の蕾に関する、ある古文書を見せてくれたんです」
「古文書?」
「ええ、なんでも、とある預言者が書いたものだそうで・・・・・・」

 とある預言者の古文書


会議テーブルの隅にいたエージェントが、誰かとケータイで会話をしている。
幹部が、エージェントを指さして言った。
「今、会議中だぞ。ケータイは厳禁だ!」
「す、すみません。今、ちょうど『薔薇の蕾』に関する情報が、部下のエージェントGから連絡が入りまして、すみません」
「・・・・・・まったく」
エージェントが、申し訳なさそうな顔をして、ケータイの向こうの部下に、指示を出した。
「・・・・・・うむ。俺もそう思う。ただクラリスの携帯の電波がその辺り10キロ圏内で切れたのは間違いないんだ。もう少し近所を地当たりしてくれ」

 エージェントGからの報告


「すみません。こんな時になんなんですが・・・・・・」
「なんだ。エージェントR」
「これを」
エージェントRは、財布から数枚の紙切れを取り出して、幹部へそっと手渡した。

 エージェントRからの報告書


「ん? 領収書?」
「『薔薇の蕾』の調査に使った経費なんですが・・・・・・」
「経費は、会計部へ持って行け!」
「よし、少し息抜きをしよう!」
幹部が会議テーブルをドンと叩いて、立ちあがるとマイクのボタンを押した。
「人事部のエージェント育成室長を頼む」
≪はい、かしこまりました≫
「『薔薇の蕾』ばかりが、仕事じゃないんだ。・・・・・・まったく」
≪はい。育成室長のエージェント・T(S)≫
「4月に入って来た、新入りエージェント候補生の訓示資料はできたかね?」
≪はい。出来てます。今、そちらに送信します≫

 エージェント・T(S)の新人課程教育報告資料


「さて、話を本題に戻そう」
一同が着席する。
モニターに映像が映し出される。
「これは、パーロット社じゃないか?」
「はい。この国の軍事産業の約40パーセントをここが受注しています」
「それと、『薔薇の蕾』にどんな関係があるんだね?」

 エージェント・T(S)によるパーロット社の報告書


「パーロット社が現在手掛けているのは、超小型ミサイルです!」
「なに? ということは、その小型ミサイルが『薔薇の蕾』というわけか? 」
「いえ、ミサイル自体は、国防省が正規に発注したものです。・・・・・・しかし」
「しかし?」
「その技術が最近、とある反政府組織に盗まれたようで」
「まさか・・・・・・」
「はい。詳細はエージェントYが調査中です」

 エージェントYによる報告書


わん、わん! 幹部の足元から、突然、仔犬の泣き声が聞こえてきた。
「ん?」
幹部の表情が一気にほころぶ。
「どうーちたの~? ダメでしゅよ~。今、会議中でちゅからね~」
仔犬を抱きかかえ、赤ちゃん言葉で話しかけている。
この仔犬は、多忙を極める諜報部員のストレス緩和を目的に、最近飼い始められたものだ。

 犬、猫の御用命は、ペットショップ「もぐら」まで!


「トラクラ教授から、新アイテムが届いております」
薔薇の蕾を模したUSBを取り出して、幹部のひとりがプロジェクターへ差し込んだ。
「薔薇の蕾型のUSBとは、まったく人をバカにしたような教授だなあ」
「まあ、研究者というのは、たいてい異常なもんですよ」
「これで、『薔薇の蕾』の糸口がつかめるかもしれない」
「そうですね。・・・・・・トラクラ教授のメッセージとともに覧ください」

 エージェントCからの報告書


「・・・・・・さっそくこの技術を試してみようじゃないか!」
「はい。そこで、差し迫った脅威の除去についてなんですが」
「差し迫った脅威?」
「ええ、実はエージェントYが定時になっても報告してこないんです」
「ということは・・・・・・」
「エージェントYの身になにか・・・・・・」

 エージェントYの行方


「情報部から新たな報告書が届きました。今、そちらへ転送します」
「・・・・・・確認した。すぐにエージェントIへ伝えろ。報告書は読んだ。すぐに証拠をすべて破棄しろ、と」
「了解しました」
「・・・・・・それから」
幹部が、出て行こうとした諜報員を呼び止めた。
「なにか?」
「エージェントIの始末は、君に任せた」
「はい」
 エージェントIからの報告書


諜報員が、不敵な笑みを浮かべて出て行くのと入れ違いに、別の諜報員が入って来た。
「やっと、入手したようです!」
「『薔薇の蕾』の謎が解明されたというのか?!」
「は、はい。エージェントYが、あるファイルを入手したというのです!」

 エージェントYからの報告書



みなさんとの競作企画の詳細は、こちら!
       ↓
秘密諜報【競作企画】:「薔薇の蕾」の謎を追え!


どうでした?
ブログ村のランキングへ参加しております!
ブチッ!と、クリックお願いしま~す。
  ↓
にほんブログ村 小説ブログ ショートショートへ
にほんブログ村

コメント

_ 矢菱虎犇 ― 2010-09-02 23時55分09秒

ヴァッキーノさん、お疲れさまです。
みんなの競作が集まって、諜報部のお歴々がミーティングをしているお話になってるって構成なんですね!
個性豊かな競作群をまとめてひとつの話に仕立てるなんて!
すごい~

よ~し、僕もがんばって00Tシリーズを量産するぞ~
00Tは殺しの番号
00Tは二度死ぬ
・・・あ、もちろん冗談です。安心してくだされい。

_ 矢菱さんへ ― 2010-09-04 05時24分10秒

お返事遅くなりましたあ!
スミマセン。

>個性豊かな競作群をまとめてひとつの話に仕立てる
そうなんですよ。
今回は、ただリンク先を並べるだけだと、スパイ感がでないかなあと
諜報本部に情報が集まってきて、役立たずな上層部の幹部たちが
あーでもない、こーでもないと話しあうっていう感じにしてみました。

なんとなく、ヒッチコック劇場のオープニングっぽくなればなあと。

トラックバック